勉強もかねて、色んな鍼灸院に通っています。
まあ鍼灸師なら普通のことです。
ちなみに私が知っている（だけ）の技法 or 当院でもできる技法だけで、これくらいあります。
【よく使っている治療法】
・みやこ式標準治療
・ルート治療
・掃骨療法
【当院では不採用、またはほとんどやってない】
私が知識と技術を持っている鍼灸の治療法で、かつ、院では実際にほとんどやることはないもの、まったく採用していないものが、
・刺絡療法（いつでもできるのに、なかなか出番なし）
・北辰会方式の治療（ほとんど1か所だけしか刺さないことと、問診が超長いことで有名）
・日本伝統鍼灸の経絡治療（鍼灸学校で理論として学ぶ東洋医学の考え方）
・お灸（月に1回も出番がない）
・IKKO式美容鍼（家で同居人の顔にやってるだけ）
【体験したことがある、または見たことがある鍼灸治療】
私が、患者として体験したことがある治療法というだけなら、
・目のお灸（眼灸というもの。お世話になっている縁里庵かつもと鍼灸院の勝元先生の技）
・古代九鍼の流れをくむ、長い鍼や、超太い鍼。←意外にもほとんど痛みなし。
・刺さない鍼（小児鍼など）
・パルス（電気を流す鍼治療）
・電気を流さない美容鍼
・顔のお灸（美容鍼の分野で一部の鍼灸院でやっている）
・バトルフィールドアキュパンクチャー（耳つぼの一種で、小さな鍼を刺すもの。アメリカが本場。戦争と関係あるらしい。麻薬中毒者の更生なんかにも使用されている）
もちろん、こんなのは、広大無比な鍼灸の世界（四千年の歴史！）のほんの一部です。
鍼灸は、鍼灸を生み出した中国、それが伝わった韓国や台湾だけでやってるわけではなく、ほとんどの先進国でやっていますし、研究されています。旧いから知らない技術もあれば、新しく生まれたから知らない技術もあるのです。
誰もが、目新しいものには、興味がわきます。
そういう意味では、先日友人から聞いた、全身火だるまになるお灸（謎）というのも、興味があります。
だけど、目新しいさや効果の目覚ましさだけで、その治療を受けたりって、案外しないものです。
なにせ、鍼灸、鍼刺しますし（リスク、ありますし）
私が患者として治療を受けるときは、治療を「本音」で選びます。
目新しいだけじゃなく、ほんまに効く治療が受けたいし、「続けられるかどうか」も結構重要。ありえないほど、めっちゃ痛いとか、危険、汚いは論外だし、あと治療院が遠すぎても厳しい…。
もっというと、駅から遠いとか、そういうのも困る…。
背中が痛いとか、高校のとき傷めた腰の古傷がとか、捻挫の後がとか、こないだ親指ケガして縫った痕の瘢痕とか、健康上の問題は、私も色々抱えています。そして、私もプロの鍼灸師のはしくれです。
腕のいい先生、圧倒的技術を持ってる先生は、知ってます。
でも、その先生の所ですら、ある疾患は一回で治ったけど、別の疾患は1回ではどうにもならなかったってことがあるんです。
超・超・腕のいい先生でも、です。
それこそ、鍼灸学校時代なんか、プロに教える側の先生がいっぱいいましたが、何かを治してもらったということは…。（そのあたりは、市中で治療に携わってる先生の治療の方が、効果が出る率は高かったです。正直な気持ち）
今後も、色んな鍼灸院、整体も含めて、色々試してくと思います。
そして取り入れるべき技術は学び、取り入れると思いますが…
たぶん、この結論は変わりません。
治療は、やっぱ回数大事。
1回で治ることもあるんですよ。十分ある。
でも、その「確率」を十分上げるには、回数がいる。
確率０％の治療を100回受けても、０は０ですが、確率５％の治療を100回受けたら、全然違う。
腕の良しあしって、ある程度までいくと、そんな差がなくて、たぶん４％の人と５％の人とがいる、ってくらいの差なんでしょう。
大事なのは、患者が治療を受ける回数。
それに、1回で治った疾患…わからないけど、もしかして、何年かしたら、今より馬齢を重ねることもあるし、運動不足や栄養過多やなんかで、いったんは治ったところも、いずれまた傷みだすんじゃないでしょうか？
治療は、「治る」がゴールじゃない。
自分が、一生無事に過ごせるために、伴走してもらえるかどうかが、一番大事。
つまり、自分が、そこの治療院、一生通い続けようと思えるかどうかが大事なんじゃないか、ってことが、私なりの治療のリアル、鍼灸治療のリアルの感覚です。
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PROFILE
山崎 美穂 やまさきみほ
鍼灸師（国家資格 はり師＋きゅう師）
大阪の女性鍼灸師
子どもの頃、仕事と主婦業で忙しい母親を見て、「忙しくても通い続けられる治療院があったらな」と思ったのが、開院の動機です。
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